2017年04月 

『確定申告を終えて』
 確定申告が終わる頃には桜が開きはじめ春本番を迎えます。私たちの事務所から今年も、所得税で1,200件余りの確定申告書を提出させていただきました。私達の事務所を創業して、今年で33年を迎えました。多くの皆様に支えられ今日があることを心から感謝します。「中小企業の砦になろう」「市民のかけ込み寺に」そんな創業の理念を忘れず、市民から必要とされ続ける事務所でありたいと思います。
『税金を払わない巨大企業』高岡幸雄(文芸春秋)著
 人間は何かの希望を明日に求めて生きていこうとします。その希望を支えているものは、人それぞれの強い願いです。敗戦後の日本はゼロからの出発でした。焼け野が原から驚異的な復興を遂げ、1960年代の高度経済成長でアメリカに次ぐ世界第2の経済大国になりました。この高度成長を達成出来たのは、日本人の勤勉さや普段の技術革新もありますが、「1ドル=360円」という固定相場制が続いたことです。その後、ニクソンショックやオイルショックなども乗り越え奇跡の成長を遂げてきました。バブル経済が崩壊し「失われた20年」といわれ長い不況に落ち込みます。この間、韓国や中国などに追い上げられ、かつてアジアで圧倒的な地位を誇ってきた経済的優位は失われます。政府は財政出動という「カンフル注射」を続けたが効果はなく、財政危機を深刻化させる結果となっています。今後人口減少が進み、経済成長はマイナスになると見られ、日本経済は縮小の一途をたどります。また平成の大合併で3,232あった市町村は1,727に減らされました。総務省は、20年後には900近い市町村が消滅すると推計しています。こうした現実に立って人々の暮らしを守るためには、現在の価値観を変えなくてはなりません。グローバリズム、その担い手である多国籍企業の行動、地球上にあるすべてを利潤追求のビジネスと見る「市場原理主義」その貪欲な行動をやめさせ、「世界は商品ではない。人間こそ主人公だ。食料・エネルギー・水・環境など、人間生存に必要な公共財を、金儲けの対象にさせてはならない。」その理念を取り戻すことです。
『平成の姥捨て山に』
 現在の介護保険制度は、「介護の社会化」という表現を使いながら、実は介護の市場化にすりかえられています。つまり私たちの老後は恰好な商品にされているのです。こういう介護制度は持続可能なのか、また介護される老人にとって幸せなのだろうか、今後介護費用の増大に伴って、どこかで破綻せざるを得ないのではないのかと危惧されます。また老人を商品にした場合、資本力のある病院が老人を囲い込み「老人さらい」などという言葉さえ聞かれる現状です。国は老人を商品にするのではなく、老人に健康で長生きしていただくための政策などに努力すべきです。ある県では、健康な長寿社会のために「一万歩運動」を提唱し、県民運動を推進しています。

『「作らせない・買わせる」農政』

 政府が進めてきた「減反政策」や「飼料穀物の自由化」は食料の自給権を放棄してアメリカ農業の為に「作らせない、買わせる」という政策でしかありません。安倍内閣はTPPに反対する農協と対立していますが、戦後の農地解放で、「土地は耕す農民の物」という理念で地主階級の手から農地は農民に解放されました。しかし政府は今、自作農を潰し、資本主義的経営に変えようとしており、家族農業が存続できるかとどうかの岐路に立っています。各地で基盤整備事業が進められ、「一枚を4反以上」にしています。田んぼが広がると農機具も大型化しなくてはならず、農家の借金も増えています。
 農業が企業化されたら農民は派遣労働者になってしまい、それは地方の衰退を早めます。戦後の「農地解放」の成果を潰させてはなりません。
『日本生きる企業を』
 数年前から、日本の大企業が本社だけ残し中国やアジアに工場を移転しており、中小企業も続いています。生産コストや成長する市場が日本企業のターゲットですが、その反面、地域社会で若者が働き場所を失い、自立化する力が衰退しています。最近、県知事を先頭に海外市場への進出を進めていますが、かつて「満蒙開拓義勇軍」として満州に送られた30万人の若者が、敗戦と共に悲惨な人生を送った歴史を忘れてはなりません。日本で生きる、故郷で生きる企業を大切にしたいものです