2017年05月 

『平和を守るために何が必要か』
 新年度に入り内外情勢は騒然としてきました。
アメリカのトランプ大統領が就任して3カ月、シリアの空軍基地へアメリカはミサイルを撃ち込みました。シリア政府がサリンを使用して、幼い子供まで殺したことへの見せしめだと発言しています。アメリカが2003年にイラクを攻撃した時も、「イラク政府が大量破壊兵器を隠している」との口実でしたが、兵器は存在しませんでした。イギリス政府は、アメリカに加担したことは誤りであったと反省しています。独立国家を攻撃するのは国連の承認が必要です。ロシア政府は、国際的な調査団によって真実を明らかにすべきだと主張していますが、アメリカは耳を貸しません。また、北朝鮮海域に原子力空母などを派遣し、「北朝鮮の核兵器開発を阻止する」と言っており、安倍総理はこれを支持し、北朝鮮への軍事対応も検討しています。こうした大国の行動は、不測の事態を招きかねません。日本の周辺には多数の原子力発電所があり、これにミサイルが当たれば日本列島は死の灰に包まれます。内外情勢が騒然とする中、私たちは平和を守るために、今何が必要かを冷静に判断しなくてはならない時だと思います。
『中小業者の存在こそ日本の底力』
 日本が韓国や中国と違うのは中小企業の存在です。韓国は「マンションから屋台まで」と云われるように、財閥企業が韓国経済の殆どを支配しています。日本では中小企業は、企業数で9割以上、雇用の8割近く、そして年間の付加価値では7割を占めています。その中小企業が今淘汰されているのです。5年ごとに行われる総務省の調査では、全国の事業者数が前回に比べて5.5%も減り、従業員数も4%以上減っています。特に商店は深刻です。1980年代に「大店立地法」が導入され、歴史ある町の商店街が消滅し、今治市などにはイオンモールが巨大な総合施設を造り、市内の商店街の火は消えつつあります。あの戦時下でも国民が何とか耐え抜いたのは、その町の八百屋、魚屋、農家等があって人々の暮らしを支えたからです。家族で商いを行い家族で農業をする、その力が地域を支え、国を支える力となってきたのです。
『自立の精神が町を救った』〜隠岐島海士町の挑戦〜
 島根県隠岐の島の海士町は、合併を拒否したため合併交付金を切られました。当時海士町には100億円以上の借金があり財政は破綻寸前でした。2002年、町長になった山内道雄氏は見識も度胸もある方でした。「離島が合併してもメリットはない。だが何も手を打たなかったら無人島になる。これから町づくりは公共事業依存から脱却、島に産業を興し、島の商品を売り、島に人を増やすことだ」と。そして2004年に自立促進プランを作成し、「人づくり・ものづくり・健康づくり」の3本の柱を掲げるとともに、町の活性化には、よそ者・若者・の力こそが必要だと考え、町の予算に大ナタを振るいました。合併を拒否したため交付金を切られ「夕張の次は海士町だ」と県から締め上げられたのですが、山内町長は「私は、夫婦2人だから暮らしていける」と、自分の給料を半分にして残りの半分を子供手当てにしようとやっているうちに、町の幹部職員たちが「自分も仲間に加えてください、私の給与も減らしてください」ということになり、そうしたら職員組合も私たちの給与も減らしてくださいと続いた。そのことを知った老人会は、支給してきたバス運賃の助成の中止を言い出し、ゲートボールの8万円の補助金も返上してきました。「職員だけに苦労を掛けるわけにはいかん」という町民の心に、山内町長は感極まったといいます。
 日本経済新聞社が2010年に海士町の挑戦を取材した長編のルポルタージュがあります。それには5年間で202人の若者が全国から海士町に移住し、隠岐の自然の中に溶け込み、漁業や酪農で充実した新しい人生を始めている姿が活き活きと描かれています。また町では、「社会全体で子育てを支援する環境を整えており、出生数も2005年に15人、2008年に20人と次第に増えています。結婚祝い金20万円、出産祝い金10万円、4人目からは100万円を支給しています。2007年度の「地域づくり総務大臣表彰」で大賞を受賞するなど、政府もその挑戦を注目しています。平成の大合併は県下でも進められましたが「合併して良かった」との声はあまり聞かれません。