2018年09月 

『いつか来た道』に戻らぬ誓いを
 73回目の終戦記念日を迎えた日、愛媛新聞やその他のマスコミが、薄れ行く戦争の記憶を忘れず平和を未来へ繋いでゆこうと訴えていました。しかし、安倍総理は秋の臨時国会に、憲法9条を変え自衛隊を明記するとともに、従来の「必要最小限」という文言を「必要な自衛力を備えた実力組織」と位置づけ、戦争ができる国へ本格的に道を開こうとしています。憲法とは、本来国民が権力の暴走を縛るためにあるのです。国民が求めていないのに権力の側の総理大臣が改憲を提案すること自体が問題であると愛媛新聞も指摘しています。先の戦争で310万人の尊い犠牲者を出し、多くの都市は爆撃で廃墟になりました。お盆にはお墓参りをしますが、どの村の墓地にも多くの兵隊さんの墓標があります。戦前は召集令状「赤紙」が来れば、どんな事情があっても拒否することはできなかったのです。終戦から73年が過ぎました。あの戦争を体験した人も少なくなりました。小泉元総理は、終戦の時に3歳だったといわれていますが、政治家の多くが戦争の悲劇を体験していません。世界には、戦争や紛争がないと武器が売れず仕事がなくなって困る連中もいます。米朝会談でトランプ大統領は冷戦を終結させようとしていますが、アメリカや日本でも、戦争の火種がなくなれば困る連中は抵抗するでしょう。しかし時代の流れは、止めることはできないのが現実です。
『中小企業の後継者不足が深刻に』
 日本経済を下支えしているのは中小企業。この縁の下の力持ちが危くなっています。経営者の高齢化が企業経営に大きな影を落とし始めています。経済産業省の調査によると、平均的な退職年齢は70歳だといわれ、2025年までに93万人の経営者が引退する見込みです。そして深刻な問題は、その多くの経営者に後継者がいないことです。後継者がいない企業は3割以上もあり、廃業をせざるを得ません。これらの企業の約4割は黒字企業です。経産省の資料によると、2025年までに法人企業で31%、個人事業所で65%が廃業すると仮定しており、その結果、650万人の雇用が奪われ、約22兆円の国内総生産が失われると予測しています。しかも日本の大企業は、中小企業の技術力に支えられているものも多く、大企業の経営を揺るがしかねない深刻な問題となっています。
『布施辰治弁護士の墓に詣でて』
 先日、布施辰治弁護士の墓に詣でてきました。
 布施弁護士の故郷石巻の公園には「生きべくんば民衆と共に、死すべくんば民衆のために」という言葉を標した石碑が建っています。布施辰治弁護士は、戦前戦後、社会的弱者と共に戦いました。戦後の三鷹事件の弁護団長や、戦前の関東大震災で在日朝鮮人虐殺事件等の弁護を勤め、韓国から「建国勲章」を受章された唯一の日本人です。私は、布施弁護士の事は著書や映画で知っていました。布施弁護士は熟達の刑事弁護士として有名であり、生涯を通じて刑事弁護士でした。そもそも刑事弁護でかかわる社会的弱者と、社会事件でかかわる社会的弱者の間には、それほどの距離はありません。さらに言えば、すべての人間は逮捕された瞬間から社会的弱者になるのです。「人は生まれて刑事被告人に為るなかれ」これは布施弁護士の警句でした。布施弁護士は、凄腕の弁護士としてマスコミの寵児でしたが、彼は勝てる弁護だけでなく、負ける事件でも全力で弱い人々の為に弁護を引き受けて戦い苦楽を共にしてきました。

『希望を持てる社会保障』 社員 岡田嘉奈子
 社会保険の算定基礎の提出が終わりました。マイナンバー制度の導入で様式に大幅な変更が行われました。年々保険料が増え、加入対象の範囲も広がり、高齢者の負担や給付金の見直しなど、経済の低迷や少子高齢化などで制度の維持が困難になっています。日本の社会保障の中で、医療は世界でも高い水準で、病気や怪我をしても安心して治療を受ける事が出来ますが、外国では当たり前ではありません。アメリカでは盲腸の手術に約200万円も掛かるといわれ、高額の医療保険に加入できない人は、治療を諦めなくてはなりません。生まれた時から恵まれた医療制度に保護されてきた私たちは、ついつい保険料の負担に目が向きがちですが、病気や失業などに陥った時に、初めてその制度の有難さを感じるのかも知れません。日本国憲法25条には、「総ての国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」とうたわれており、この生存権を守る社会保険制度は、私たちの生活に大きな役割を果たしています。時代の流れで変化があるにしても、日本の未来に希望がもてる制度改革が行われる事を願っています。