2019年02月 

『平成最後の確定申告期を迎えて』
確定申告期を迎えると、よく思い出すことがあります。
ある農家の方が「警察は悪いことをしなかったら怖くないが、税務署は一生懸命働いて少し儲けたら税金を取りに来る」といった言葉です。以前ドイツとデンマークの「農業や税制」を視察するため訪れたことがあります。デンマークは消費税が25%と、世界で2番目に高い国ですが、国民は国を信頼し「高負担」を受け入れています。例えば、地方の市会議員はボランティアです。そのため議員報酬は交通費などの手当が日本円で約98万円(2010年当時)支払われるだけ。国会議員の歳費も年収750万円程です。国会議事堂の近くの議員が自転車で通勤している姿も見ました。日本の国会議員の歳費は年間2,000万円以上、その上非課税の手当が1,200万円も付いています。デンマークの政治家は、決して高い報酬を貰ってはいません。もしも報酬が高額で、日本のように政治家の汚職がしばしば起きるようでは、国民の理解と信頼は得られないでしょう。ドイツの農村も視察しましたが、議会を夜間に開いている町もありました。
納税者である国民が、その税金の使い手である政治家や行政の仕事ぶりを信頼出来ない国は、まっとうな社会とはいえません。国民と政治家の相互に深い信頼があるからこそデンマークは「高負担・高福祉」が維持されていると強く感じました。
『10%の消費税が日本経済を破壊する』
安倍内閣の官房参与を務めていた藤井聡氏が、表題の本を出版しました。その本の要約を紹介します。
「1995年5%の消費税導入で、日本はデフレ経済に突入した。以来、経済は停滞し「法人税や所得税」が6年間で10兆円以上も減り、国の財政は悪化した。その為政府の借金は急激に増えた。日本の国民総生産の6割は消費だが、消費税はこの最大のメインエンジンを破壊するものだ。政府は「税収を上げないと高齢化社会は破綻する」と言うが、消費税で増えた収入分は、法人税の減収の穴埋めに使われた。以前は40%以上であった法人税は、現在20%台まで引下げられている。しかも法人税を払っている企業は約3割程度で、中小企業の7割近くは法人税もかからない厳しい経営だ。さらに何億円も稼いでいる大企業は、金融所得などでも稼いでいるため低くなっている。かつて4,000万円以上の高額所得者の税率は83%であったが、今は50%まで引下げられた。奪い取られた庶民のお金が金持ちと大企業に注がれていった。」
『生き続ける企業を目指して』
 一つの会社が創業して100年後に生き残っている確率は1,000社のうち2〜3社だといわれます。企業という生命体を維持し発展させるには何が必要でしょうか。社歴の長い会社は、「生き続ける」ことを目標にしています。そして生き続ける為には利益や売上は必要ですが「利益や売上」が目的になっている会社は、生き続ける事が二の次になりがちです。会社の目的と手段は、混同しがちですが全く別の物です。例えば、私たちが仕事のために車で高松に行こうとします。そのためには車にガソリンを入れておかなくてはなりません。途中でガス欠を起こすと目的地に行けなくなります。このように、売上や利益は目的ではなく手段です。社長が「顧客第一主義」とか「社員の幸せを守る」といいながら社長の頭には「売上や利益」しかないとすれば、その会社は早晩社会からも従業員からも信頼されなくなります。顧客からも、どうしても必要な会社とは思われなくなるでしょう。そんな会社が長期に生き続ける事は難しいと思います。どんな会社でも、社会から必要とされなくなれば存続は出来ません。

『日本の食が操作される』
昨年4月の国会で、戦後日本の食を支えてきたシステムを揺るがす重大な決定が行われました。「主要作物種子法」の廃止です。戦前制定された法律で、米・麦・大豆等の種子の生産や普及は、都道府県に義務づけてきました。国は、この法律で各県の農業試験場でコメの開発や品種改良を行い、長い歳月をかけて新品種を育ててきましたが、それが突然廃止されたのです。これは、昨年10月「民間企業を参入させることを目的」に打ち出されたものです。政府は、「種子法が民間企業の投資意欲を損なっている」と説明しています。しかし、種子法とは本来、種を売って儲ける為の物ではなく、種を「公共財産」として守るための制度なのです。日本では現在830品種のコメが作られています。この中には、地域農業を支える品種もあります。民間企業が参入すれば、国や県の義務がなくなり、従来の種子が手に入らなくなります。三井化学が開発したF1の「みつひかり」を栽培する場合、企業がどの農薬を何時まくかを指導し、種は農薬とのセット販売です。農家は農薬を減らすことも出来ない。しかも、収穫したコメは買い取り先が決められており、農家が産直販売は出来ません。住友化学が「つくばSD」というコメをセブンイレブンに供給しています。これから日本人が食べるコメは選択の幅が狭められ、しかも国内だけでなく、アメリカの農業商社も参入が予定されています。