2019年05月 

『戦なき平成の世を安堵され 陛下は退位し令和の御代に』
平成は、明治以来の日本が戦争で人を殺し、殺されることのなかった貴重な時代でした。その一方で世界史が大きく変化した時代でもありました。1989年ベルリンの壁が崩壊し東西ドイツが統一しました。その後、ソ連が崩壊し冷戦が終結し、米国の一極支配の時代となります。米国はテロを口実に湾岸戦争やイラクを攻撃し中東を戦乱に巻き込みました。米国に従い、日本もカンボジアに憲法下で初めて自衛隊を派遣しました。
経済では、冷戦が終結した1989年3月末、3万8千円台に上昇した日経平均株価が、1992年8月には1万5千円割れとなり、リーマンショック後には、最安値7,054円になりました。2009年9月、政権交代が起き、鳩山内閣が誕生します。その後安倍内閣は、日銀や年金財源の投入で株価を買い支え、2万円台を前後していますが、株価は企業の実態を示していないといわれてました。また(国際通貨基金)が公表した1人当りの国民総生産では、2000年には世界2位でしたが、10年後には18位に後退し、2017年のデーターでは25位となり、シンガポールや香港にも追い抜かれています。1995年当時、日本は世界全体の2割近くを稼ぎ出すほどの経済大国で、敗戦から短期間に世界第2の経済大国になり「世界の奇跡」といわれました。しかし、日本の稼ぐ力は劣化しています。以前は、日本の自動車や家電は世界経済をリードしていましたが、2000年以降は残念ながら世界をリードする企業はごくわずかになっています。
平成は、災害や事件にも苦しめられた時代でした。1995年の阪神大震災、地下鉄サリン事件、豪雨で愛媛や岡山などの水害、熊本地震などが地域の人々に大きな被害を残しました。特に福島の原発事故は、今なお多くの人々が故郷を失い、仮設住宅での生活を送っています。平成の時代は戦争のない貴重な時代であったが、世界の変化から出遅れてしまった感があります。また政治が劣化し、国民が政治家を信頼しておらず、選挙をボイコットする者も増えています。
新しい御代が再び素晴らしい日本を取り戻せるよう頑張りましょう。
『希望の持てる日本にしよう』 丹波 宇一郎
伊東忠商事会長で元中国大使であった丹波宇一郎氏が「仕事と心の流儀」という本を出版されました。
「リーダーは常に弱い者の立場に立たなければいけない。いま、給与所得者の5割以上は年収400万円以下です。それで一体、どんな生活が出来るのか。子供を産み、ちゃんと教育して育てていけるのか。こうした厳しい現実が若者の生活を直撃している。子供を産もうにも、今日より明日の生活が良くなる見通しがなければ、なかなか子供を産めません。今を生きるのが精一杯で、なかなか他のことを考えるゆとりがない。もっと生き方や哲学について関心をもち、明日の生活を今日より良くなると思える社会にしていかないと若者の情熱を引き出す事は出来ない。一番いいのは、富の分配を考え直す事です。税制には、富の再分配という役割があります。いま消費税の増税が議論されていますが、いま見直すべきは所得税や金融資産への課税です。株や債権での稼ぎや高額所得者への課税をもう少し増やすべきではないか。金持ちを手厚くするのではなく、弱い者、貧しい者に手厚くする税制へと考え直すべきです。戦争を知らない政治家が、日本を危うい方向に導いてしまうのではないかと心が痛む。2年前に「戦争の大問題」という本を書いた。必要なのは、戦争の真実を知ることだ。」
『東京大学入学式での上野千鶴子氏祝辞より』
「あなたたちは頑張れば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが・・・頑張ってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そして頑張ったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにして下さい。あなたたちが今日「頑張ったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やり遂げたことを評価して褒めてくれたからこそです。世の中には、頑張っても報われない人、頑張ろうにも頑張れない人、頑張りすぎて心と体を壊した人たちがいます。頑張る前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」と頑張る意欲をくじかれる人たちもいます。あなたたちの頑張りを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないで下さい。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれない人々を貶めるためにではなく、そういう人々を助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きて下さい」