2019年10月 

『アメリカ人が見た日本』
長年日本の各地やヨーロッパを視察してきたアメリカ人「アレックス・カー」氏が、日本の自然環境の破壊や官僚制度に心を痛め「犬と鬼」という本の中で次のように述べています。「日本の行政機関は致命的な欠陥がある。それはブレーキだ。いったん進路を決めると、行き着くまで止まらない。例えば自然林が伐採され、杉の木が植えられる。川はダム、海岸は埋め立てられコンクリートで塗りつぶされる。山林には無用な林道がはりめぐらされる。ひなびた孤島は産業廃棄物の墓場になる。アメリカでは、環境を考え、原則としてこれ以上ダムは造らない。それどころか1990年以降70を超えるダムが撤去されている。日本では、既に2,800のダムがあるのにさらにダムを造ろうとしている。建設中毒の日本は、建設関係への投資はアメリカに比べて格段に多い。政府の最強の兵器は、裁判の引き延ばしだ。市民が裁判で訴えても結論が出るまで何十年もかかる。水俣病の裁判は真相を隠し続け、住民が訴えてから45年後にようやく和解が成立した。諌早湾の裁判も結論は出ていない。」
この本は、日本の将来を考える上で多くの貴重な示唆を与えています。
『リーダーなき混迷の時代に』
英国のEU離脱とトランプ大統領の登場は、世界の秩序を根本的に変え大国が世界を支配した時代の終わりを告げようとしています。英国がEUを離脱すれば、スコットランドや北アイルランドは英国から離脱するようで、英国の解体を意味します。アメリカも今までのような圧倒的な影響力はなく、「イラク封じ込めの有志連合」を呼びかけたが賛同する国は殆ど有りません。ドイツ・フランス・イタリアなどヨーロッパ諸国も難民問題に苦しみ、右翼政党が胎動しています。米・中の貿易戦争、韓国と日本の対立・インドとパキスタンの軍事衝突、香港市民の抗議行動を中国政府が武力で鎮圧すれば天安門事件の二の舞となり、香港の地価も経済も大暴落し中国経済は深刻な打撃となります。このように世界は今リーダーなき混迷の時代を迎え、新しい秩序を自らの知恵と努力で創らなくてはなりません。
日本は、敗戦以来アメリカに、外交も経済も政治も任せて自らの意志と決断で国の方針を決めることを放棄していました。これからは、国民の声を結集し新しい時代を切り開く決意を持たなくてはなりません。
『心に残る言葉』
「中村天風」
人生で起きることは総て意味がある。人間は身につまされないと、なかなか学ばない。天には言葉がないから、事実を持って自覚を求める。お前の生き方は間違っているから、その間違いを自覚しなさい、と言って病気や不幸を与える。そう解釈するのが一番確かです。不幸に対する不平や不満を幾ら言っても良くはならない。不平を感謝に振り替えて努力する。どんな宝が詰まっている金庫も、鍵がないと宝を取り出せぬ。心の置き所が人生の幸福の扉を開く鍵となるのです。
「前川政夫」
物作り文化の基本は、人間の優しさと協同にあると思う。3,000万年前、猿から人間が分かれ、別々に進化してきたが、分かれた原因は、類人猿は仲間に食べ物を分けあたえたことにあるらしい。一方猿は、ボス猿が満足するまで餌を食べ、子猿が欲しがっても与えようとしない。企業経営も同じで自分さえ儲かれば良いという考えは長続きしない。江戸時代から伝えられた、「売り手よし。買い手よし。世間よし。」という「三方よし」の考えは、二21世紀の現代にも通じる企業理念です。
消費税増税の隠れみの税理士 秋川史朗
この事務所便りが皆さんのお手元に届くころ、消費税はおそらく10%に引き上げられていると思います。私たちの事務所でも、消費税増税に対しての質問が多く寄せられましたが、その大半は軽減税率の取り扱いについてでした。多くのメディアでも軽減税率についてクイズ形式で取り上げられていました。代表的なのがイートイン、「店内」か「持ち帰り」の区分や、例えば、かまぼこを製造販売する事業所では、かまぼこ板は何%消費税が掛かるか?製造の大半を占める燃料費は?等、聞く分には興味があるテーマとして、一般消費者を楽しませるような話題提供ばかり行っていました。消費税が5%から8%に引き上げられた時も、時の首相は「増税分は社会福祉以外には利用しない」と断言していました。また、10%に引き上げる時も同じようなことを国会で声高らかに宣言したことも、記憶に新しい事実です。
かつて平成の幕開けと共に始まった消費税。令和の時代にはついに10%にも跳ね上がり、果たして昭和を生きてきた方の中に、今の日本のほうが、社会保障制度が充実したと褒めて下さる方が一体何人いるのでしょうか。