2020年06月 

『コロナにどう立ち向かうか』
世界的な新型コロナウイルスの感染で、死者は31万人を超えたと伝えられています。しかし、実際にはその数倍だとの意見もあります。いま私達の前には、二つの決断が迫られています。一つは、感染をいかに防ぐかということ。もう一つは、暮らしをどう再建するかです。世界はコロナの対策で経済が停滞して耐えきれず経済の再開が始まりました。米国でも既に失業保険の申請者が3,000万人に達しており、トランプ大統領は経済再開を強く主張しています。日本でも5月末に「緊急事態宣言」は解除されました。ただ、コロナ感染は一度収まっても、第二波の感染があるといわれ、この冬の流行が心配されています。国民は緊急事態宣言を守って、外出を控え家に閉じこもって来ましたが、収入を断たれ倒産する企業や、働きに行けず生活できないジレンマの中で苦しい日々を過ごしてきました。生活保護の申請が10倍になった自治体や、アルバイトがなくなり退学を考えている大学生が2割も居るとの報告もあります。学校によっては支援していますが、基本的には「学費を免除し、家賃を立て替える」事をしないと卒業できない学生も少なくありません。実業界でも廃業・倒産が増え、希望退職・解雇・派遣切り・外国人労働者の雇い止めなどが相次いでいます。
こうした中で政治に対する国民の評価も厳しくなっています。安倍政権は家庭にマスクを二枚ずつ郵便配達するとの方針も、品物がなかなか届かず、届いたマスクも品質が良くないと不評です。何よりも感染者を調べる検査体制を厚生省は改めず、患者が病院をたらい回しにされて死亡する悲惨な事故も起きています。さらに検査の目安として「37,55度以上の発熱が4日以上続いた者だけを専門の検査機関で受診する」との方針を、厚生省は単なる目安だと言ってシラを切るなど唖然とする無責任さです。コロナウイルスだけでなく、政府は原爆事故の放射能汚染についても未だにデータを公開していません。今回のような大きな社会的危機は、様々な分野に変化をもたらします。人々の苦しみを克服して安定した世の中を取り戻すかどうかが政治に問われています。それに成功すれば、国は蘇って再び生活の安定を取り戻しますが、それに失敗すれば、悲惨な破綻や無謀な混乱と争いが起き社会は混乱します。
『経済学とは何か』
世の中には星の数程経済学者がいます。彼らは景気の予測や、経済構造を語っている。しかし、経済の根本は「皆が食べていく」ということである。この世に生を受けた人間全員が、どうすれば飢え死にせずに生きて行くことができるか。それが経済の根本問題です。ところが、この単純な命題に、何時までたっても、確固たる回答が出せない。世界には、飽食の傍らで、飢餓に苦しみ、一杯のミルクが無くて死んで行く子供達もいる。・・これは、藤原直哉さんという経済学者の「富貴の心」という本の一節です。
『新入社員としての思い』 社員 安藤悠利
今春、税理士事務所に入社しました。私は小学生から野球を始め、高校では捕手として、2.3年生の春、そして3年生の夏と、幸運にも三度の甲子園に出場することが出来ました。特に最後の夏は、第一シードで勝つことが当然という立場で県大会に臨み、初戦から思うような試合運びができず、何とか勝利を重ね優勝という栄冠を勝ち得ました。最終学年では、監督からの理不尽にも感じる圧(プレッシャー)を日々感じながらの練習でしたから、優勝のうれしさよりも、やっとこのプレッシャーから解放されたという喜びのほうが爆発したのが本音でした。大学で野球を続けたとき、高校の監督からの理解不能で理不尽な指導は、実は大学で野球をする上で大変役に立ち、監督は上を見据えて私に指導をしてくださっていたのだと初めて気づかされました。
今般の新型コロナウイルスの状況下、高校生のスポーツの祭典でもある総体や、甲子園を目指しての高校野球選手権大会が中止となりました。もちろん私たちのように頂点を目指して日々の練習に耐えてきた者、高校スポーツの集大成として日々研鑽してきた者たちの心情を察すると、掛ける言葉は見つかりません。大学でも野球をしたいと希望を持っていた自分に置き換えれば、もしかしたらその希望も絶たれ、進学すらしなかったかもしれません。しかし、お互いの近況を連絡しあう高校時代のチームメイトは、今でもかけがえのない親友です。私は3年間の高校野球で大切な友を得ることが出来ました。今は先の見えない高校生も、必ず今年のことを話す友ができたことは事実です。
私は税理士資格を取得したいという希望をもち、会計事務所の扉をたたきました。毎日、それこそ理解のできない専門用語の波にもがいていますが、高校時代に培った精神力を糧に頑張ってまいります。