2020年11月 

『菅内閣の支持率急落』
菅内閣の支持率が学術会員の任命拒否を巡って7ポイント急落しました。安倍内閣と違って、心情的な支持者がいません。利権屋は菅政権に取り入ろうとしていますが、世論の動向で押し返されるでしょう。今後あらゆる問題で、強引な手法が露見する度に支持率は下がっていくと思われます。菅内閣は、安倍内閣の方針を引き継ぐと云っており、米国の戦争屋、利権屋達は安倍内閣が突然終わったので、菅氏に安倍氏の経済・外交政策を継続させようとしています。しかし、菅内閣が終わりになると次がいません。すでに自民党内では岸田派が麻生派、谷垣グループに接近し派閥間の再編成の構築に動いています。そして小選挙区の10以上で候補者の調整が出来ておらず派閥間の駆け引きも激しくなりそうです。また菅氏は「維新の会」の橋本氏と提携しようとしていますが、公明党は快くは思っていません。政策面では、地方銀行や中小企業を整理淘汰しようとしており、厳しく監視していかなくてはなりません。就任後、菅総理は沖縄の玉城知事と会談しましたが、たった五分間しか対話せず、大きな世論の対立がある問題では、人前に出て話し合うことが苦手のようです。外交政策では経団連の要望もあって、中国との関係を大事にしていますが、トランプ政権は、中国を経済的にも政治的にも孤立させようとしており、日本政府の行動が、アジアの未来にも大きな影響を与えそうです。
『コロナで変わる時代の転機』
全日空が5,100億円の赤字を、JR東日本も9月まで半年間の中間決算で2,643億円の赤字と中間決算で初の赤字となりました。コロナの影響で中小企業だけでなく巨大企業でも損失が出ており、従業員の解雇や、賃金の引下げも増えています。しかも日本のみならず世界中の経済が深刻な危機にさらされています。しかし、どんな時代にも危機はありました。日本の戦後の状態を振り返れば、仕事も無く金も無く、飢えと絶望のどん底から必死で頑張って世界第二の経済大国に駆け上がったのです。松下電器、本田技研、京セラなど新しい経営者が、国民の求める物に焦点を当て、それを作り出して一歩一歩廃墟の日本経済を立て直したのです。コロナ後の世界は大きく変わります。グローバル経済で世界をまたに巨大企業が暴利を上げた時代は続かないと思います。また中央政府が一元的に国民を支配する制度から、地方分権が進み地域の自主的な経済が大きくなって行くように思います。
『見える報酬と見えざる報酬』
仕事には「見える報酬」と「見えざる報酬」があると言われます。見える報酬とは「お金や地位」です。これも大事です。「そんな物に私は興味がありません」と言うのはウソです。どんなに仲の良い夫婦でも、子供に今日食べさせる物がなければケンカがおきます。一方の「見えざる報酬」とは自分の成長です。自分の目標を達成することだと言い換えても良いでしょう。仕事を通じて、人々から信頼される力や能力を身につけること、何らかの「資格を取る」ことなどです。人のため自分のため、社会のために。「自分が目標とするもの」を達成する喜び、それが「見えざる報酬」です。勉強というのは、未知のものに対する好奇心です。知らないことを知りたい。知れば人間としての知識や考えが深くなる。「見えざる報酬」に向かって頑張って居れば「見える報酬」にもつながってゆくものです。
凡事徹底社員 岡田嘉奈子
工事現場に掲げられた「凡事徹底」という言葉が目にとまりました。凡事徹底とは―特別なことではなく何でもないような当たり前のことを徹底的に行うこと―とあります。松下幸之助さんが大切にされた教育理念です。元メジャーリーガーのイチローさんの名言に、「小さいことを重ねることが、とんでもない所に行くただ一つの道」という言葉があります。つまり「塵も積もれば山となる」や「継続は力なり」という諺と合致しますが、塵や継続にあたるものは凡事です。高校時代のイチローさんは、練習時間以外に10分間の素振りを日課にしていたそうです。10分間の素振りなら誰にでもできるレベルの凡事です。しかしながら、その凡事を365日毎日続けることは容易ではありません。ストイックで努力家のイチローさんでさえ、継続できるのは1日10分間の素振りと考えると、人は凡事なことでさえ継続することが困難であるといえるかもしれません。継続は力なりという言葉は、継続することが力となるだけでなく、継続するには力がいるということも含んでいます。
どんな仕事でも、その大部分は単純な作業の積み重ねです。私たち会計事務所の仕事も、一つの仕訳の積み重ねが元帳になり、試算表、決算書、そして申告書が出来上がります。しかし、常に同じモチベーションを継続させて仕事に取り組むことは難しい時もあります。急な仕事が入るなど、時間的に余裕がない場合の業務が増えてくると、つい気持ちが焦ります。それでも「正しい仕訳を起こす」という、凡事に常に徹底的に取り組みたいものです。